【結論】子育て家庭は「購入」一択。カーリースで得をするのは、リース料を経費計上できる個人事業主や法人だけ。サラリーマン家庭がリースを選ぶメリットはほぼゼロ。ノアHVの7年間を比べると、リースの総支出は約680万円で手元に何も残らない。購入なら総支出は約550万円で、7年後に約110万円で売却できるから実質コストは約440万円。差額は240万円。240万円あれば、子供の塾代3年分が払える。「月々が安く見える」のは残価を引いているだけで、トータルでは確実に損をしている。この記事では、FPの私が数字で徹底的に証明する。
「カーリースなら月々3万円台で新車に乗れます!」
テレビCM、YouTube広告、ディーラーの営業トーク——カーリースは「お得」の大合唱。
でも、冷静に考えてほしい。
月々が安い=トータルで安い、ではない。 これは住宅ローンの「月々5万円から!」と全く同じ構造。月々は安く見えるが、35年後の総支払額を見ると震えるのと一緒。
元ガソリンスタンド店員としてリース車も自家用車も何千台と見てきて、FPとして200件以上の家計相談で「車にいくら使うべきか」を計算してきた私が、はっきり言う。
子育て家庭のカーリースは「割高なレンタル」でしかない。 その理由を7つ、数字で証明する。

- そもそもカーリースとは何か? ―― 「自分の車」ではない
- 理由1:7年間の実質コストで240万円の差がつく
- 理由2:「月々が安い」のカラクリ ―― 残価を引いているだけ
- 理由3:子供がいる=車は確実に汚れる ―― 原状回復費の地雷
- 理由4:走行距離制限 ―― 子育て家庭は超えやすい
- 理由5:中途解約できない ―― 人生は予測できない
- 理由6:車が「資産」にならない ―― 7年間払って手元に何も残らない
- 理由7:リースで得をするのは「経費化できる人」だけ
- 「でもリースの方が楽じゃない?」への反論
- KINTO・定額カルモくんは例外? ―― 結論は同じ
- よくある質問(Q&A)
- まとめ:「月々の安さ」に騙されるな。7年の実質コストで判断せよ
- 今の車の「本当の価値」を知ることが、次の一歩
そもそもカーリースとは何か? ―― 「自分の車」ではない
結論:カーリースは「長期レンタカー」。車の所有者はリース会社であり、あなたではない。
まずここを勘違いしている人が多い。リースは「買っている」のではなく「借りている」。
| 項目 | カーリース | 購入(ローン含む) |
|---|---|---|
| 車の名義 | リース会社 | あなた |
| 車検証の所有者 | リース会社 | あなた(orローン会社) |
| 自由に売却できるか | できない | いつでもできる |
| 自由にカスタマイズできるか | 原則NG | 自由 |
| 契約終了後 | 返すか、残価で買い取る | そのまま乗り続ける or 売る |
購入は「資産を持つ」。リースは「使用料を払い続けるだけ」。 この根本的な違いを理解するだけで、どちらが得かは明白。
理由1:7年間の実質コストで240万円の差がつく
結論:ノアHV S-Zの7年間を比較すると、リースは約680万円で手元にゼロ。購入は約440万円(売却後)。差額240万円。
7年間のコスト完全比較表
| 費目 | リース(7年・メンテ込み) | 購入(5年ローン+2年保有) |
|---|---|---|
| 車両本体 | リース料に含む | 367万円 |
| 頭金 | 0円 | 50万円 |
| ローン金利(3%・5年) | リース料に含む | 約25万円 |
| 月額支払い | 約75,000円×84ヶ月 | 約53,000円×60ヶ月 |
| 自動車税(7年分) | 込み | 約25万円 |
| 車検(3回分) | 込み | 約15万円 |
| メンテナンス(7年分) | 込み | 約20万円 |
| 任意保険(7年分) | 別途:約50万円 | 別途:約50万円 |
| 7年間の総支出 | 約680万円 | 約552万円 |
| 7年後の車の価値 | 0円(返却して終了) | 約110万円(売却可能) |
| 7年間の実質コスト | 約680万円 | 約442万円 |
差額:238万円。購入の圧勝。

この240万円で何ができるか
- 子供1人の塾代(中学3年間):約180万円
- 家族4人のハワイ旅行:約120万円
- 次の車の頭金:240万円あればかなり良い車が買える
- つみたてNISAで20年運用:元本240万円 → 約480万円(年利5%想定)
「月々が安いから」という理由だけで、240万円を捨てていいのか。 この問いに「はい」と言える家庭はほとんどないはず。
理由2:「月々が安い」のカラクリ ―― 残価を引いているだけ
結論:リースの月額が安く見えるのは、車両価格から「残価(契約終了時の想定価値)」を引いているから。安くなる魔法は存在しない。
リース料の内訳(広告では見せない部分)
| リース月額の構成要素 | 内容 |
|---|---|
| 車両の値下がり分 | 新車価格 − 残価。この差額を月割り |
| 金利相当額 | リース会社の利益。年利3~8%相当が隠れている |
| 自動車税 | 月割りで含まれる |
| 車検・メンテ費 | プランにより含まれる |
| リース会社の手数料・利益 | 上記すべてに上乗せ |
購入のローン金利は1.9~3.5%が相場。リースの金利相当額は3~8%。 リースの方が金利が高いのに、それが「月額○万円」の中に隠れているから気づかない。
「月々3万円台」の真実
「月々3万円台!」と広告で見るリースは、だいたいボーナス払い月に10万円以上が加算されるか、残価が異常に高く設定されているか、走行距離制限が月750kmと極端に短いかのどれか。
「本当に月3万円だけで新車に乗れるなんて、そんなうまい話があるわけがない」——これはFPとしての率直な感想。

理由3:子供がいる=車は確実に汚れる ―― 原状回復費の地雷
結論:リースは契約終了時に「原状回復」が求められる。子育て家庭の車内は100%汚れるため、返却時に5万~15万円の追加請求リスクがある。
子育て家庭の車内で「起きないこと」はほぼない。

| 子育てあるある | 原状回復費の目安 |
|---|---|
| シートへのジュースこぼし染み | 1万~3万円 |
| チャイルドシートの凹み跡(シートに残る) | 1万~3万円 |
| 子供の靴跡(前席の背面) | 5,000~1万円 |
| ダッシュボードへのクレヨン・シール跡 | 5,000~1万円 |
| フロアのお菓子カス・砂 | 5,000~1万円 |
| 嘔吐の臭い残り | 3万~10万円 |
購入なら「汚れても自分の車」だから追加費用ゼロ。 むしろ子供と過ごした思い出の証。リースは「他人の車を借りている」から、汚すたびにビクビクする。子育て中にそんなストレスは要らない。
理由4:走行距離制限 ―― 子育て家庭は超えやすい
結論:リースの走行距離制限は月1,000~1,500km。子育て家庭は保育園送迎+週末レジャーで簡単に超える。超過すると1kmあたり5~11円の追加料金。

子育て家庭の月間走行距離シミュレーション
| 用途 | 月間走行距離 |
|---|---|
| 保育園・幼稚園送迎(往復10km×22日) | 220km |
| スーパー・習い事(週3回×10km) | 120km |
| 週末の公園・ショッピング(月4回×40km) | 160km |
| 月1回の少し遠出(片道80km) | 160km |
| 通常月の合計 | 約660km |
「月1,000kmなら余裕じゃん」と思うかもしれない。
しかしGW・お盆・年末年始に片道300kmの帰省を入れると、その月だけで1,200~1,500kmに跳ね上がる。 年間トータルで超えなくても、リースは「月ごと」で計算する会社もある。
超過料金は1kmあたり5~11円。年間2,000km超過すると1万~2.2万円の追加請求。 7年間で7万~15万円の「見えないコスト」。
購入なら走行距離をまったく気にしなくていい。 帰省も旅行も気兼ねなし。
理由5:中途解約できない ―― 人生は予測できない
結論:リースは原則として中途解約不可。解約する場合は残リース料の一括払い(数十万~100万円以上)という違約金が発生する。
子育て中は、ライフスタイルが激変する。

| よくある変化 | リースの場合 | 購入の場合 |
|---|---|---|
| 第2子が生まれて大きい車が必要 | 残リース料を一括払い+新たにリース契約 | 今の車を売って差額で乗り換え |
| 転勤で車が不要になった | 違約金を払って返却 | 売却してお金が戻る |
| 収入が減ってローンが苦しい | 解約不可。払い続けるしかない | 車を売って現金化。家計を守れる |
| 事故で全損 | 保険で対応可だが追加精算の場合あり | 車両保険で対応 |
購入した車は「いつでも売れる」。これが最大の保険。 リースは「契約に縛られる」。子育て中の不確実な人生で、「逃げ道がない契約」はリスクでしかない。
理由6:車が「資産」にならない ―― 7年間払って手元に何も残らない
結論:リースは7年間で680万円を払っても、契約終了時に返却して終わり。手元にはゼロ。購入なら7年後でも100万円以上の価値が残る。
これがリース最大の欠点。
| リース | 購入 | |
|---|---|---|
| 7年間の総支出 | 約680万円 | 約552万円 |
| 7年後に手元に残るもの | ゼロ(返却) | 車(売却すれば約110万円) |
680万円を払って何も残らないか、552万円を払って110万円の資産が残るか。
「でも7年落ちの車なんて二束三文でしょ?」と思うかもしれない。
いや、2026年の中古車市場でノアHVの7年落ちは100万~150万円が相場。 ミニバンはファミリー需要が強いためリセールが高い。購入なら、この売却額を次の車の頭金にできる。リースにはこの「リセールの恩恵」が一切ない。
ここまで読んで「今の車、いくらで売れるんだろう?」と思ったなら、まずバディカの愛車メーター(無料・匿名・30秒)で相場だけ確認してみてほしい。数字を知るだけで、次の判断が全く変わる。
→ バディカ愛車メーター(公式) https://buddica.direct/specials/aishameter/
理由7:リースで得をするのは「経費化できる人」だけ
結論:カーリースが本当に得になるのは、リース料を全額「経費」に計上できる個人事業主・法人だけ。サラリーマンの家庭には節税メリットがゼロ。

なぜ個人事業主はリースが得なのか
| 条件 | 個人事業主 | サラリーマン |
|---|---|---|
| リース料の経費計上 | 全額経費にできる | できない |
| 節税効果 | リース月7.5万円×12ヶ月=年90万円の経費 → 税率30%なら年27万円の節税 | 0円 |
| 減価償却の手間 | リースなら不要(経費一括計上) | 関係なし |
| 7年間の節税総額 | 約189万円 | 0円 |
個人事業主なら節税で189万円が戻るから、リースの割高分がほぼ相殺される。 だからリースは「事業用」として成立するサービス。
サラリーマン家庭にはこの節税メリットが一切ない。 つまりリースの「割高分」をまるごと負担するだけ。これが「子育て家庭は購入一択」と断言する最大の理由。
「でもリースの方が楽じゃない?」への反論
「車検もメンテも全部コミコミで楽だから」——これはリースの唯一のメリット。でもその「楽」に240万円払う価値があるかは別の話。

購入でも「楽」にする方法
| 購入で「面倒」なこと | 解決策 | コスト |
|---|---|---|
| 自動車税の支払い | PayPay・クレカ自動払い | 0円 |
| 車検の手配 | 近所の民間車検工場に予約(ネット予約) | 5分 |
| メンテナンスの管理 | 車検時にまとめて依頼 | 0円 |
| オイル交換 | カー用品店で15分 | 3,000~5,000円 |
これらを「面倒だから240万円払ってリースにする」は、FPの目から見て完全にコスパが合わない。 年に2~3回の手続きを自分でやるだけで、7年で240万円が浮く。
KINTO・定額カルモくんは例外? ―― 結論は同じ
結論:KINTO(トヨタ)や定額カルモくんは優れたサービスだが、「サラリーマン家庭が購入より得になるケース」はほぼない。
各サービスの特徴
| サービス | 月額(ノアHV概算) | 特徴 | 子育て家庭のリスク |
|---|---|---|---|
| KINTO | 約71,500円 | 任意保険込み。事故でも等級ダウンなし | 返却のみ。走行距離制限あり |
| 定額カルモくん | 約62,000円 | 7年以上で「もらえる」オプションあり | 中途解約不可。もらえるプランは実質フルローン |
| リースナブル | 約48,000円 | 短期契約に強い | 走行距離月750km制限が厳しい |
「もらえるプラン」の正体
定額カルモくんの「もらえるオプション」は月500円追加で車が最終的に自分のものになる。これは一見お得だが、冷静に計算すると「金利の高いフルローン」と同じ構造。
月62,000円×84ヶ月+もらえるOP月500円×84ヶ月=約525万円
銀行マイカーローン(金利1.9%・7年)で367万円を借りた場合の総返済額は約394万円。
差額:約131万円。 同じ「車が最終的に自分のものになる」でも、銀行ローンの方が131万円安い。
よくある質問(Q&A)
Q1:「頭金が出せないからリースしかない」のですが……
A1:頭金ゼロのマイカーローンは普通にある。銀行系マイカーローンなら金利1.9~3.5%で頭金ゼロOK。「頭金がないからリース」は最も損する選択。頭金ゼロの銀行ローンを先に検討すべき。
Q2:KINTOは任意保険込みだからお得では?
A2:20代で保険料が年10万円以上の人にはメリットがある。しかし30代以降で等級が上がっている家庭は保険料が年4~6万円まで下がるため、自分で加入した方が安い。自分の保険料を確認してから比較すること。
Q3:残クレとリースはどう違う?
A3:残クレは「ローンの一種」で車は自分名義。リースは「レンタルの長期版」で車はリース会社名義。残クレは途中で車を売却できるがリースはできない。どちらにせよ、通常ローンでの購入が最もコスパが高い。
Q4:「面倒くさがり」にはリースが向いている?
A4:車検の予約と自動車税の支払いを「面倒」と感じるかどうか。これだけのことに7年で240万円を払えるなら止めないが、FPとしてはおすすめしない。購入でもPayPay払いとネット予約で手間は5分。
Q5:結局、リースが合う人は?
A5:(1)個人事業主・法人でリース料を経費化できる人、(2)転勤族で2~3年ごとに車を手放す必要がある人。 この2パターンだけ。子育てサラリーマン家庭は購入一択。
まとめ:「月々の安さ」に騙されるな。7年の実質コストで判断せよ
この記事のポイントを振り返る。

- 7年の実質コスト:リース約680万円 vs 購入約440万円。差額240万円
- 「月々が安い」のカラクリ: 残価を引いて金利を隠しているだけ
- 子供がいる=車は汚れる: リースの原状回復費5~15万円のリスク
- 走行距離制限: 帰省・旅行で簡単に超える。超過料金が地味に痛い
- 中途解約不可: 子育て中の人生は予測不可能。「逃げ道がない契約」はリスク
- 車が資産にならない: 7年払って手元にゼロ。購入なら110万円で売却可能
- リースで得をするのは経費化できる個人事業主だけ。 節税メリットゼロのサラリーマン家庭にはデメリットしかない
240万円を「楽さ」に払うか。240万円を「子供の未来」に使うか。
答えは明白。
今の車の「本当の価値」を知ることが、次の一歩
ここまで読んで「購入の方が得なのはわかった。じゃあ今の車を売って乗り換えようかな」と思ったなら、やるべきことは1つだけ。
今の車の相場を、30秒だけ調べてみること。
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